化学辞典 第2版 「エールリヒ反応」の解説
エールリヒ反応
エールリヒハンノウ
Ehrlich reaction
【Ⅰ】ピロールまたはインドール誘導体のエールリヒ試薬(p-ジメチルアミノベンズアルデヒドの希塩酸溶液)による呈色反応.ピロール核の2位への試薬の縮合により深赤色を呈する.2位がすべて置換されているものは発色しない.L-トリプトファンを含むタンパク質の定性反応としても広く用いられ,この場合はNeubauer-Rhode反応として知られる.1911年,P. Ehrlich(エールリヒ)が尿にこの試薬を加えると赤色を呈することを見いだしたのにはじまり,臨床的には尿中のウロビリノーゲンの検出に応用される.[別用語参照]胆汁色素【Ⅱ】ジアゾカップリングによる鋭敏な呈色反応で,van den Bergh反応ともいう.尿中のビリルビンやメソビリルビンに,エールリヒのジアゾ試薬(スルファニル酸のジアゾニウム塩溶液)を作用させるとアゾ色素が生成し,強酸性では青紫色,pH 2~5.5では赤色,pH 5.5以上では緑色を呈する.インドールもこの反応を示すが,ビリベルジンは呈色しない.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報