日本大百科全書(ニッポニカ) 「オイルセパレーター」の意味・わかりやすい解説
オイルセパレーター
おいるせぱれーたー
oil separator
廃水中に溶解せず懸濁している油脂類を水との比重差で重力により浮上分離させる装置。アメリカ石油協会American Petroleum Instituteの基準により設計されたAPIオイルセパレーターが広く用いられていた。これは重力式水平流型沈降槽と類似の構造をもち、直径150マイクロメートルの油滴まで分離できる。PPI(Parallel Plate Interceptor)オイルセパレーターはAPI式の改良型で、シェル社で開発された。装置内に側方45度に傾斜した100ミリメートル間隔の多段の平行板が入っていて、小形化と性能向上を図った。60マイクロメートルの油滴まで分離できる。CPI(Corrugated Plate Interceptor)オイルセパレーターも同じくシェル社で開発され、45度傾斜の多段の波状平行板を挿入してさらに小形化を図り、60マイクロメートルの油滴まで分離できる。
以上いずれも構造が簡単で運転・保守も容易で経費も少ない。しかし比重が1.0に近い物質や微粒子またはエマルジョンは分離が困難である。また単独で用いられることは少なく、ほかの二次処理装置と組み合わせて用いることが多い。
[早川豊彦]