オオサクラソウ(読み)おおさくらそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオサクラソウ」の意味・わかりやすい解説

オオサクラソウ
おおさくらそう / 大桜草
[学] Primula jesoana Miq.

サクラソウ科(APG分類:サクラソウ科)の多年草。茎は高さ約20センチメートル、短い根茎があり、長い柄のある葉が数枚根際につく。葉は掌状に7裂し、縁(へり)に粗い鋸歯(きょし)があり、基部は心臓形で柄につながる。7月ごろ葉の間から30センチメートルほどの茎を立て、茎頂に紫紅色花を数個輪状につける。花はサクラ形で筒があり、径約1.5センチメートル。本州北部の高山から北海道に自生し、日の当たる湿性地に群生することが多い。茎、葉ともに有毛のものが普通であるが、北海道にはことに毛深い系統変種があり、エゾオオサクラソウとよばれる。

[鳥居恒夫 2021年3月22日]


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