改訂新版 世界大百科事典 「オオバキ」の意味・わかりやすい解説
オオバキ
Macaranga tanarius Muell.-Arg.
二次林に多いトウダイグサ科の常緑高木。東南アジア,中国の広東省,台湾,オセアニアの諸島に分布し,日本では沖縄に産する。高さ5m内外。和名が示すように,広卵形の葉は大きく,長さ30cm,葉柄の長さ25cmになる。また葉柄が楯形につく点が特徴的である。若い枝,葉柄,葉の裏には淡黄色の柔らかい毛が密に生える。雌雄異株で,短い総状花序を葉腋(ようえき)につけ,春に開花。花は花弁がなく小さくて目だたない。果実は直径1cmの球形のBD果(さくか)。中国では,種子から油をとる。大きな葉で食物などを包むことや茎の皮の繊維で縄を作ることは広く各地で行われている。また,葉は家畜の飼料とし,民間薬としても利用される。属名Macarangaはマダガスカルでのこの植物の原地名。オオバキ属は,100種ほどの樹木種からなる大きな属で,旧熱帯に分布し,しばしば二次林の優占的な樹種になる。
執筆者:森田 竜義
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報