オオムカデ類(読み)オオムカデるい(その他表記)Scolopendromorpha; scolopendromorph centipede

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオムカデ類」の意味・わかりやすい解説

オオムカデ類
オオムカデるい
Scolopendromorpha; scolopendromorph centipede

ムカデ綱整形亜綱オオムカデ目に属する種類の総称。一般に体長5~10cm,歩脚は 21または 23対。第1胴節の付属肢は強大な毒肢として口器の一部を形成する。最後の歩脚は大きく,歩行には用いられず,引きずっているので曳航肢と呼ばれる。雌は早春から夏にかけて落ち葉の下などに数十個の卵を産み,歩脚で卵をかかえて保護する。孵化した幼虫は体節や筋肉が未完成なため,自分では動き回ることができない。数日後の第1回の脱皮で体節が明瞭となるが,なお全身運動はできず,第2回の脱皮でようやく独立生活に移る。3年がかりで成熟し,その後2~3年間生きる。土中の無脊椎動物としては最強の肉食者で,クモ,昆虫類,ミミズなどを捕食する。視覚が発達していず,獲物が体に触れると毒顎で咬みつき,毒液を注入する。毒はサソリ毒に似ているといわれているが人命にかかわることはなく,体長 13cmに達する日本最大のトビズムカデ Scolopendra subspinipes mutilansに咬まれても激痛とともに患部がはれる程度である。本州,四国,九州にはアオズムカデ S. s. japonicaも多い。 (→整形類 , ムカデ類 )

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