日本大百科全書(ニッポニカ) 「オジブワ」の意味・わかりやすい解説
オジブワ
おじぶわ
Ojibwa
北アメリカの先住民集団(アメリカ・インディアン)。チッペワChippewaともよばれる。言語はアルゴンキン語族に属する。人口は4、5万。文化圏のうえでは北東部文化圏に含まれる。五大湖地方中央部に居住していたが、白人との接触後スペリオル湖の南西部、北西部へと居住地を移動させた。隣接する先住民集団ダコタDakotaと小競り合いを繰り返したが、ダコタがミネソタ州から放逐されるに及んで、その故地を占めた。白人とくにフランス人との毛皮取引がオジブワの社会に強い影響を及ぼし、大きな変化をもたらした。取引を安定させるため白人の商人はオジブワと友好関係を保ち続け、直接交渉にあたる地方首長の地位を強化することとなった。ダコタの旧領ではアメリカマコモを集中的に利用し、これは、毛皮取引が重要性を失ったあとの生計をなんとか支える基盤となった。社会組織は地域によって少しずつ異なるが、全般的に個人主義の傾向が顕著である。
[木村秀雄]