ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オデナトゥス」の意味・わかりやすい解説
オデナトゥス
Septimius Odaenathus
[没]267/268
隊商都市パルミラの支配者。ラテン名セプチムス。パルミラ語ではオダイナット。在世中パルミラはすでに 200年の歴史をもっていたが,商業貴族としてパルミラの指導的立場を獲得。ササン朝ペルシアとローマの対立に乗じて富を築き,ローマの市民権を得た。260年ローマ皇帝ウァレリアヌスがササン朝のシャプール1世によって捕虜となったとき,ローマ軍に代わってシャプールと戦った。またエメサで帝位僭称者クイエツスを破り,ガリエヌス帝から「全オリエントの統治者」の称号を授けられた。その後オデナトゥス自身「諸王の王」を称し,メソポタミアまで攻め込んだ。しかしローマのために全オリエントを回復したとき,妻ゼノビアによって長男ヘロデスとともに暗殺されたといわれる。
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