改訂新版 世界大百科事典 「オノ石」の意味・わかりやすい解説 オノ(斧)石 (おのいし)axinite 〈ふせき〉ともいう。Ca4(Fe,Mn)2Al2[B2Si8O30](OH)2の化学成分をもつ三斜晶系の鉱物で,斧に似た形の結晶形を示すため,斧を意味するギリシア語axinēにちなんでその名が付けられた。ガラス光沢を呈し,褐色,紫色,灰色などの種々の色のものがあり,Mnに富むものは黄色を示す。モース硬度6.5~7,比重3.27~3.35,200~300℃に加熱すると帯電する(ピロ電気)。接触交代鉱床,花コウ岩などの晶洞に産する。大分県尾平鉱山は世界的にも有名な産地で,淡紫色透明の美晶を産する。産地によっては結晶の大きさは4~5cmに達する。執筆者:竹内 慶夫 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by