大学事典 「オーナーズ・プログラム」の解説
オーナーズ・プログラム
成績優秀で向学心旺盛な学生向けに,一般学生とは区別して自学中心の高度な勉学の機会を与え,卒業時に優秀性を段階付け顕彰する教育プログラム。1920年代,イギリスのオックスフォードからアメリカ合衆国の拠点スワスモア・カレッジへ移植された当時は,第3,4年次のオーナーズ生は参考書リストをもとに,学内教員のセミナーに出席しつつ専門分野を集中的にマスターし,学外の審査員によるその成果の評価でランク付けされ卒業した。以後1世紀を経て,オーナーズ・プログラムを標榜する機関としては,上位のリベラルアーツ・カレッジよりも大規模な研究大学,とくに州立の上位校が目立つようになっている。州内から一定の基準に達した学生を収容する義務をもち,他方,能力面で優秀な州内外からの学士課程生も多数擁するカリフォルニア大学バークレー校やミシガン大学等は,後者の学生に少人数での高度なセミナーや研究への参加,卒業論文の作成の機会を与え,機会の平等と質の高さの両立を目指している。
著者: 立川明
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報