オーラン県(読み)オーラン(その他表記)Haut-Rhin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーラン県」の意味・わかりやすい解説

オーラン〔県〕
オーラン
Haut-Rhin

フランス東部,アルザス地域 (レジオン) の県。県都コルマール。 1790年発足,1871~1919年はドイツ領であった。ライン川によりドイツと国境を接し,西側はボージュ山脈南東斜面に限られ,南端ジュラ山脈の一部を含みスイスと国境を接する。ボージュ山脈はバロンドゲブビレール山 (1424m) をはじめ急峻な山地を含み,東方アルザス平原南部に流れ出る河川が深い谷を刻む森林と牧畜地帯である。山麓の斜面は有名なアルザス・ワインの生産地でブドウ畑が多い。山麓地帯におもな集落が発達し,小さな地方町を形成している。アルザス平野は,黄土におおわれた豊かな部分と,低湿で地味もやせ,未開拓の部分 (アルトの森など) とから成る。特産のホップをはじめ,タバコなども含めた多角的農業が盛ん。平野部の工業はミュルーズ付近のカリウム鉱山を中心とする化学工業が盛んで,製鉄,機械,製紙,繊維などの諸工業も重要。面積 3525km2。人口 67万 1319 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android