日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュラ山脈」の意味・わかりやすい解説
ジュラ山脈
じゅらさんみゃく
Jura
フランスとスイスの国境にある石灰岩の褶曲(しゅうきょく)山脈。アルプスよりも低く、構造は単純である。ジュネーブ南西部でジュラ山脈はアルプス山体から分離して、長さ300キロメートルの弧を描いてスイス中部平野の北西部・西部を取り囲み、ローヌ・ソーヌ地溝、オーバーライン低地に向かって鎌形に張り出した平面形を示す。最高点はスイス領内のクレト・ド・ラ・ネージュ(1718メートル)。アルプスを褶曲させた南東からの推力が、中生代および新生代初期の堆積(たいせき)岩を褶曲させて山地にまで高めたものであるが、褶曲の強さ、時期の違いにより、東半の山脈ジュラ、西半の高原ジュラ、北端の台地ジュラの三つに分けられる。なお、地質時代区分のジュラ紀の名は、初めここで中生代の地層の詳しい研究がなされたため与えられた。
[前島郁雄]