お千代/半兵衛(読み)おちよ/はんべえ

朝日日本歴史人物事典 「お千代/半兵衛」の解説

お千代/半兵衛

江戸時代の情話の主人公。モデルは同名の大坂油掛町の八百屋養子夫婦。享保7(1722)年4月6日早朝,大坂生玉馬場先の大仏勧進所で心中した。夫婦の心中は珍しかったため世評に上り,この事件を題材にした浄瑠璃が直後に上演された。紀海音作の「心中二ツ腹帯」(大坂豊竹座)と,近松門左衛門作の「心中宵庚申」(大坂竹本座)がそれで,いずれも半兵衛はもと武士で,事情あって八百屋の養子となるが,留守中に妻千代(千世)を姑によって離縁され,妻への情と親への義理との板ばさみになって心中するという内容である。4月5日が庚申待ちの夜であったため,宵庚申の名がある。

(佐谷眞木人)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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