カサル(読み)かさる(英語表記)Julián del Casal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カサル」の意味・わかりやすい解説

カサル
かさる
Julián del Casal
(1863―1893)

キューバ詩人一家破産により大学を中退、役所勤めをしたが、新聞紙上でスペイン総督を攻撃して失職結核のため夭逝(ようせい)した。処女詩集『風にそよぐ葉』(1890)はロマン主義の色が濃いが、第二詩集『雪』(1892)では象徴主義と高踏主義の諸要素を結合ペシミズムを強める。遺作の、散文を含む第三詩集『胸像叙情詩』(1893)は、詩形が刷新されるなど、近代主義の頂点に達している。

[野谷文昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android