かすとり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「かすとり」の意味・わかりやすい解説

かすとり

第二次世界大戦直後、酒のない焼け跡闇市(やみいち)時代に出回った密造アルコール。本来の粕(かす)取り焼酎(しょうちゅう)は、清酒を絞ったあとの酒粕をさらに発酵させ蒸留してつくるもので、独特の風味をもち上質のものも珍しくなかった。戦後のかすとりはサツマイモや米から急造され、品質劣悪、メチルアルコール入りで死者や失明者を出すこともあった。

[森脇逸男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android