かすとり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「かすとり」の意味・わかりやすい解説

かすとり

第二次世界大戦直後、酒のない焼け跡闇市(やみいち)時代に出回った密造アルコール。本来の粕(かす)取り焼酎(しょうちゅう)は、清酒を絞ったあとの酒粕をさらに発酵させ蒸留してつくるもので、独特の風味をもち上質のものも珍しくなかった。戦後のかすとりはサツマイモや米から急造され、品質劣悪、メチルアルコール入りで死者や失明者を出すこともあった。

[森脇逸男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android