酒粕(読み)さけかす

  • さかかす
  • 酒×粕/酒×糟
  • 酒粕/酒糟

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

清酒のもろみを酒袋に入れ,酒槽内で加圧圧搾して清酒をしぼり取った残りかすをいう。奈良漬などの漬物用,魚介類粕漬用として利用されているほかに,焼酎合成清酒の香味づけ,粕酢などの製造原料にも用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

清酒もろみを濾過(ろか)して酒を分離した残り。以前はもろみを搾り袋(酒袋(さかぶくろ))に入れ、槽(ふね)(圧搾機)にかけて圧搾し、清酒を分離したが、今日では袋や槽を用いない効率のよい搾り機がある。酒粕は白米成分のうち清酒にならなかった部分で、酒粕の量は原料米の約20~25%である。タンパク質、繊維やデンプンと酵母からなり、米のタンパク質や酵母からのアミノ酸、核酸が豊富で、また麹(こうじ)の酵素が生きているので、食品の香味の付与材として昔から使われている。成分は水分50%、アルコール分8%、デンプン25%、タンパク質15%であり、ビタミン類(100グラム中B10.03ミリグラム、B20.26ミリグラム、ナイアシン2.0ミリグラム)も多く、栄養豊富な食品に匹敵している。搾りたての板(いた)粕あるいは新粕は、そのまま食用にされたり、汁物に加えて粕汁にしたり、湯に溶かし砂糖を加えて甘酒にして飲用される。タンクに投入して貯蔵した粕は、踏み込み粕あるいは老粕(ひねかす)といわれ、自己消化して柔らかくなっており、奈良漬け、わさび漬け、魚や野菜の粕漬けに用いられる。酒粕は味がよいので、酢酸発酵させて粕酢(かすず)の原料とし、またそのまま蒸留し、あるいは再度粕もろみにして発酵させて蒸留し、「かすとり焼酎(しょうちゅう)」の原料として用いられる。かつては新鮮な酒粕の香気を合成清酒の製造の際に利用したこともある。[秋山裕一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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