最新 地学事典 「カトフォラ閃石」の解説
カトフォラせんせき
カトフォラ閃石
katophorite
角閃石上族,(OH・F-Cl)族,Na-Ca亜属に属する。端成分はNa(NaCa)(Mg4Al)(Si7Al)O22(OH)2で,Fe2+>Mgの鉄カトフォラ閃石,Fe2+>Mg,Fe3+>Alのフェロフェリカトフォラ閃石,Fe2+<Mg,Fe3+>Alのフェリカトフォラ閃石,Fe2+<MgFe3+>Al,F>OHのフェリフッ素カトフォラ閃石が存在。以下一般的にカトフォラ閃石といわれたものの主な性質を記述する。単斜晶系,空間群C2/m。濃赤紫・暗赤褐・青黒色(鉄に富む)。長柱状・針状結晶。比重~3.2~3.5。多色性X=黄色・薄褐,Y=緑褐・褐赤,Z=黄赤・赤紫。屈折率α1.639~1.681, β1.658~1.688, γ1.600~1.690。光学的方位は組成によって変化。まれな鉱物。フォノライト・粗面岩中にアルベゾン閃石やエジリン輝石と出現する。そのほかモンゾニ岩・テラライトなどにも産出。ギリシア語のkataphora(運びおろす,暗に火山起原の意味)から命名。なお,マグネシオやアルミノのついたカトフォラ閃石とよばれたものは,Mg, Alが標準となるため,マグネシオやアルミノの接頭語はなくなった。したがってマグネシオカトフォラ閃石,マグネシオアルミノカトフォラ閃石は,カトフォラ閃石となる。
執筆者:冨田 克敏・橋本 光男・松原 聰
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

