カプグラ(その他表記)Jean Marie Joseph Capgras

改訂新版 世界大百科事典 「カプグラ」の意味・わかりやすい解説

カプグラ
Jean Marie Joseph Capgras
生没年:1873-1950

フランス精神医学者。いわゆるサンタンヌ学派に属し,1910年前後から30年代にかけて精神医学の臨床的研究に活躍した。彼がとくにその名を残したのは,慢性系統妄想病における〈うり二つの錯覚〉ないし〈二重身の錯覚〉(1923)によってである。今日カプグラ症状群とも呼ばれているこの精神症状は,〈身近な既知の人物を似ているが別人である,偽者である〉とする一種の人物誤認で,まれではあるが統合失調症圏の精神病において,それも女子に多くみられるものである。そのほか,うつ病や躁(そう)病,急性錯乱,慢性妄想などの研究分野にも多くの業績を残している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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