日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプシカムペパー」の意味・わかりやすい解説
カプシカムペパー
かぷしかむぺぱー
capsicum pepper
トウガラシ属capsicumの総称で、香辛料として使われる。5種類の栽培種(C. annuum、C. frutescens、C. chinense、C. pendulum、C. pubescens)があり、いずれも気候や土壌に対する順応性が高く、コロンブスのアメリカ発見以来、世界各地に伝播(でんぱ)し、現在では90種以上の変種がある。辛味の強い変種には、カイエン、バーザイ、チリペパー、チリペキン、タバスコ、デビル、ルイジアナ・スポーツ、チリテピンズ、ジャラペノ、ボンベイ・チェリーズ、本鷹(ほんたか)、鷹の爪(たかのつめ)、三鷹(さんたか)などがあり、辛味の弱いものには、ベルペパー(ピーマン)、パプリカ(甘トウガラシ)、スコッシュ(ガンボ)、獅子唐(ししとう)(シシトウガラシ)などがある。カプシカムペパーの莢(さや)の辛味はカプサイシンで、胃液の分泌を促し、食欲を増進させる作用がある。辛味の強いものは、辛味漬けの香辛料、調味料として多くの国で使われている。日本では一般にトウガラシまたは赤トウガラシと同意語に使われている。
[齋藤 浩]