カマドコオロギ(読み)かまどこおろぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カマドコオロギ」の意味・わかりやすい解説

カマドコオロギ
かまどこおろぎ / 竈蟋蟀
[学] Gryllodes sigilatus

昆虫綱直翅(ちょくし)目コオロギ科に属する昆虫。広く世界の熱帯、亜熱帯にみられるコオロギで、日本では中部地方以西の太平洋岸沿いの暖地に分布し、奄美(あまみ)諸島以南では普通にみられる。全体が扁平(へんぺい)な体で、淡褐色をし、前胸背後縁と雌の腹部第1節背面にある濃褐色の帯状部が目だつ。頭頂は弱く突出し、触角や尾角は長い。長翅型と短翅型があるが、後者が普通である。短翅の雄の前翅は腹部中央付近にしか達せず、一方、雌の前翅は鱗片(りんぺん)状となる。成虫一年中みられ、雄は、チ、チ、チ、チと比較的甲高い音を出して鳴く。カマドコオロギの名は、人家のかまどなどの周辺にすみつくことによるが、ほかにウスイロコオロギ、ソバヤコオロギの別名もある。

[山崎柄根]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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