改訂新版 世界大百科事典 「カヤー」の意味・わかりやすい解説
カヤー[州]
Kayah
ミャンマー連邦に含まれる七つの州のひとつ。面積1万1700km2。人口27万(2000)。州都はロイコー。行政的には6郡に細分される。第2次大戦前はカレンニー州という名称で,世襲的藩侯(サオピャー)3人を通じて総督の間接統治を受けていた。1951年,現名に改称。ミャンマー中東部に位置し,北はシャン州,南はカレン州,東はタイ国と境を接している。タイとの国境寄りをサルウィン川が南北に縦断している。山岳地が多いため,チークやその他の熱帯産硬質材を中心とする林産物と,スズ,タングステン,アンチモニーなどモーチー鉱山の鉱産物とが主産物。降雨量は平均年1200mm。ロイコー周辺の平地では水稲栽培もみられるが,山地では焼畑が中心。住民はカヤー(旧称カレンニー)族のほか,ゲーコー,ゲーバー,バダウン,ブレ,マヌマノーなどカレン系の民族が主力である。
執筆者:大野 徹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報