カリエスリスクについて

六訂版 家庭医学大全科 「カリエスリスクについて」の解説

カリエスリスクについて
(歯と歯肉の病気)

 むし歯カリエス)が新たにできる、あるいは、むし歯がさらに進む危険性(リスク)、つまり、むし歯のなりやすさをカリエスリスクといいます。カリエスリスクは、むし歯をつくる因子と、それらに抵抗し歯を保護する因子のバランスで決まるので、両者を評価して判定されます。

 むし歯をつくる因子で最も重視されるのが、唾液(だえき)または歯垢(しこう)中のむし歯原因菌(ミュータンス連鎖球菌(れんさきゅうきん)および乳酸桿菌(にゅうさんかんきん))の量です。また、歯垢の付着量が多く、間食を含む飲食の回数が多いほどリスクが高まります。

 一方、これらに対抗する最も重要な因子は唾液です。唾液の分泌量が多く、その緩衝能(かんしょうのう)酸性中性にもどすはたらき)が強いほど、むし歯を避けることができます。また、フッ化物の応用頻度が高いと、唾液による初期むし歯の自然治癒(再石灰化)が格段に進みます。

 実際には、これらのほか、過去のむし歯経験やブラッシングなど生活習慣を考慮して、歯科医師が総合的にカリエスリスクを判定します。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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