カルムイク文字(読み)カルムイクもじ

改訂新版 世界大百科事典 「カルムイク文字」の意味・わかりやすい解説

カルムイク文字 (カルムイクもじ)

オイラート文字ともトド(托忒)文字ともいう。1648年オイラート族出身のラマ僧ザヤパンディタ(1599-1662)が考案したもので,従来モンゴル文字がoとu,öとü,kとg,tとdなどの間に字形上の区別がなかったので,これらに特別の記号を付加して区別を明瞭にした。このために“明瞭な(トド)”文字という意味でトド文字と呼ばれた。トド文字はジュンガリアおよび外モンゴリア西部のオイラート族,ロシアのボルガ川下流域に移住したオイラート族の別派(カルムイク族)の間で用いられたが,今日では新疆ウイグル自治区のオイラート系モンゴル族の間でのみ用いられている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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