カーダム派(読み)カーダムは(英語表記)bKa' gdams pa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーダム派」の意味・わかりやすい解説

カーダム派
カーダムは
bKa' gdams pa

チベット仏教の一宗派。 11世紀中頃のチベットアティーシャの影響を受けた人々の教学系統。部派仏教から金剛乗にいたる仏教を統合して受入れる立場をとる。ドムトゥン (1004/5~64) が 1056年にラデンを創建し,それが中心となった。密教を重んじたダムガクパの系統と顕教を主とし,無上瑜伽タントラに触れない持律者の系統とがあって,後者が次第に主流となった。その正統性を主張するため『カーダム聖冊子』がナルタン寺系から示されたが,黄帽派でもダライ・ラマの系統はその転生理論の根拠をこの書に求めて尊重し,さらにカーダム派寺院を,新カーダム派と称して黄帽派が統合する場合にも役立てた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android