カール・シュワルツシルト天文台(読み)かーるしゅわるつしるとてんもんだい(英語表記)Karl Schwarzschild Sternwarte

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カール・シュワルツシルト天文台
かーるしゅわるつしるとてんもんだい
Karl Schwarzschild Sternwarte

ドイツイエナの北方タウンテンブルクにある天文台。1960年に完成、ドイツの理論天文学者シュワルツシルトを記念して彼の名がつけられた。代表的な装置は、世界最大の主鏡口径200センチメートル、補正板口径134センチメートルのシュミット・カメラである。このシュミット・カメラはパロマ山天文台のものより焦点距離が長いため、より細かく星の分布を観測でき、銀河系内やアンドロメダ銀河などの恒星分布の研究を進めている。この望遠鏡はシュミット補正板を取り外すと反射望遠鏡として使用できる。これにより、比較的天候のよくない場所にもかかわらず、多量のデータを得ている。

[磯部琇三 2015年5月19日]

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世界大百科事典(旧版)内のカール・シュワルツシルト天文台の言及

【天文台】より

…カラル・アルト山には,最近ハンブルクの80cmシュミット望遠鏡を移設し,また3.5mの反射望遠鏡の建設を計画中である。なお,東ドイツでは1960年,イェーナ近郊にカール・シュワルツシルト天文台を創設し,口径134cmという世界最大のシュミット望遠鏡を設置した。この望遠鏡は補正板をはずすと,口径2mの反射望遠鏡としても使うことができる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」