改訂新版 世界大百科事典 「ガス警報器」の意味・わかりやすい解説
ガス警報器 (ガスけいほうき)
gas alarm
規定濃度以上のガスが発生または流動してきた際に,自動的に危険表示の点灯または警報を発する機器。炭鉱で使用されているのはメタンガス警報器で,これには定置用と携帯用とがある。その作動方式としては,(1)干渉計式(干渉縞の移動を光伝導セルで受光し電気的に自動警報させるもの),(2)熱線燃焼計式(ガスの接触燃焼による電気抵抗の変化によって自動的に警報を発するもの),(3)熱伝導計式(サーミスターまたは金属製素子を用いる熱伝導計によるもの),(4)密度差計式(ガス濃度による密度差を利用するもの)などがある。近年炭鉱では,ガス突出のおそれのある掘進切羽,採炭切羽,電気品設置個所などにガス警報器を設置し,規定濃度以上のガス量になった場合,自動的に警報を発して電源を遮断し,その情報が坑外の集中監視装置に送られるようになっている。
執筆者:大橋 脩作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報