ガンザー症候群(読み)ガンザーしょうこうぐん(その他表記)Ganser's syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガンザー症候群」の意味・わかりやすい解説

ガンザー症候群
ガンザーしょうこうぐん
Ganser's syndrome

ガンザーもうろう状態ともいう。拘禁下の心因反応としてみられることの多いヒステリー性精神症状をいう。質問を受けた際,内容はかなり正確につかんでいると思われるのに,ばかげた応答をするなど痴呆と見誤るような症状を呈する。多くの場合,意識障害,幻覚性錯乱,夢幻様状態などを伴うが,長期間継続することは少い。ぼんやりした表情と力のない態度が特徴的。ドイツ精神科医 S.ガンザー (1853~1931) が拘禁された未決囚にみられる症候群として報告したので,その名がつけられた。

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世界大百科事典(旧版)内のガンザー症候群の言及

【もうろう状態(朦朧状態)】より

…症状には大げさで,演技的な色彩がある。ガンザー症候群Gansersches Syndromは拘禁反応の一型で,当惑したあるいはぼんやりした表情と力のない態度と失見当を示し,的はずれ応答や当意即答Vorbeiredenを特徴的にみる。精神病者として刑罰から逃れたいという願望から生ずるものとされる。…

※「ガンザー症候群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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