心因反応(読み)シンインハンノウ(英語表記)psychogenic reaction

デジタル大辞泉 「心因反応」の意味・読み・例文・類語

しんいん‐はんのう〔‐ハンオウ〕【心因反応】

心因によって起こる病的状態。ヒステリー反応驚愕きょうがく反応など。

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精選版 日本国語大辞典 「心因反応」の意味・読み・例文・類語

しんいん‐はんのう‥ハンオウ【心因反応】

  1. 〘 名詞 〙 心因によって起こる精神的・身体的な機能の異常状態。

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改訂新版 世界大百科事典 「心因反応」の意味・わかりやすい解説

心因反応 (しんいんはんのう)
psychogenic reaction

心理的な原因,多くは欲求不満葛藤にもとづいた精神的な障害をさす精神医学用語ドイツ精神科医ゾンマーR.Sommerが1889年に〈心因症Psychogenie〉という名称を用いたのが,この概念端緒とされる。心因反応という用語はやや多義的な概念で,神経症をこれに含めないのが現在の一般の見解であるが,神経症ことにヒステリーを含める人もある。具体的には,いわゆる原始反応(衝動的,爆発性の短絡反応驚愕反応,昏迷,もうろう状態など)のごとき強烈な体験刺激に直接ひきつづいて生じる低次元のもの(それゆえにヒステリー的な反応が含まれることがある)から,体験刺激に際して複雑な心理的加工が行われて症状が形づくられる種々の妄想的反応など(敏感関係妄想,好訴妄想,色情妄想,難聴者の迫害妄想受刑者の赦免妄想,感応精神病など)を含んでいる。心因反応が成立するためには,心因となるべき十分な心理的体験が存在することは必須の条件で,心因が強烈なものであればあるほど反応をひき起こす確率は高い。しかし,一般にみることのできる心因反応の成立にあたっては,同様の心的刺激がすべての人に同様の反応を生じるとは限らないところからして,心因となる体験を受けた側の素因あるいは人格要因も無視できないものである。ドイツの精神科医K.シュナイダーは正常者に生じうる体験にもとづく了解できる反応(体験反応)よりも,反応のしかたが過度であるとか,過度に遷延するような場合を異常体験反応(心因反応と同義)と呼んで,その成立には人格が関与することを強調した。心因反応を生じやすい人格としては,人格発達の未成熟な小児,精神遅滞,暗示性の高い人,偏執的人格などがある。心因反応の経過は,原因となる心因の程度や持続と人格の偏りの程度いかんによって決定される。
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百科事典マイペディア 「心因反応」の意味・わかりやすい解説

心因反応【しんいんはんのう】

神経症の一型。最近の精神的体験が原因で生じた異常な心的反応。戦場の恐怖による驚愕(きょうがく)反応や,親しい者の死亡した悲しみ等による抑鬱(よくうつ)反応などがある。その体験による恐怖や悲しみ等の感情が薄らぐとともに人格変化や後遺症状を残さず,症状は消失する。
→関連項目持続睡眠療法

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