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痴呆 チホウ

百科事典マイペディアの解説

痴呆【ちほう】

正常に発達した知能が脳の器質的疾患のため永続的に低下した状態。精神発達遅滞とは区別される。梅毒による脳病変が原因の麻痺(まひ)性呆,慢性アルコール中毒の末期にみられるアルコール性痴呆,老衰による老人性認知症のほか,てんかん性痴,動脈硬化性痴呆,アルツハイマー病によるものなどがあるが,高齢化が著しい現代,特に老年(人)性痴呆の増加とその介護が重大な社会問題となっている。なお2005年から〈痴呆〉の呼称は〈認知症〉に改められた。
→関連項目救急カードグループホームクロイツフェルト=ヤコブ病見当識障害精神分裂病知的障害ポジトロン断層撮影法

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世界大百科事典 第2版の解説

ちほう【痴呆 dementia】

一度修得された知的能力が,後天的な脳の器質的疾患のため著しい低下をきたす状態をいう。これは発達段階の障害によって知能が低いままで止まる精神遅滞と対比される。痴呆を指す英語dementiaは,ラテン語のdemensに由来し,〈mens(精神,思考)が除かれる〉という意味である。痴呆は知能低下のみでなく,感情面,意欲面の低下も伴うもので,高度になれば言語機能も低下する。一般的な老化に伴う〈ぼけ〉の場合は,知能低下の程度はより軽度であるので,いちおう急速に進行する病的な知能低下としての痴呆と区別されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

痴呆
ちほう
dementia

いったん発育した脳が損傷されて、その結果として、それまでに獲得された知的能力が低下してしまった状態をいう呼称として、長らく使われてきた用語。2004年(平成16)に厚生労働省が、一般的な用語や行政用語としては「認知症」が適当であるとの見解を示し、以後は「痴呆」を用いなくなった。なお、法律上の用語については法改正のなかで検討され、医学上の用語としては「痴呆」が使用される場合もある。[編集部]

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世界大百科事典内の痴呆の言及

【偽痴呆】より

…仮性痴呆ともいう。ヒステリー性もうろう状態で,ぼんやりして知能が低いかのように見えたり,わざとらしい間違った答えをしたり(的はずれ応答),子どもっぽい態度を示したり(小児症)すること。…

【精神遅滞】より

…これに対し,情意発達の遅れないし不均衡が人格異常であり,性的精神発達の遅れないし不均衡が性倒錯である。知能がいったん発達したのち低下するものは痴呆で,精神遅滞とは区別される。また,難聴によって言語の習得と知覚発達に遅れがあるものは,本来の知能は保たれているので,仮性の精神遅滞という。…

【癲癇】より

…25歳以上で発病するものを晩発癲癇late onset epilepsyといい,進行性の脳疾患である可能性があるから,精密検査が必要である。
【症状と種類】
 持続が1~2分の癲癇発作,数時間から数週間持続する癲癇挿間症,および慢性癲癇精神病,癲癇性痴呆と性格変化の4種類がある。ただし,発作でも感情発作は持続が数時間から数週間と長いことがあり,認知発作や自律神経発作も数十分と長いことがある。…

※「痴呆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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