日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガーベイ」の意味・わかりやすい解説
ガーベイ
がーべい
Marcus Garvey
(1887―1940)
純血アフリカ人系の黒人解放運動家。ジャマイカ生まれ。若いころから向学心が強く、人種差別の不条理に目覚め、1914年、アフリカ系黒人を復権のために大同団結させる目的で、ジャマイカに世界黒人地位改善協会(UNIA)を創設した。1916年渡米、1917年には同協会をニューヨークに移転し、1918年には機関誌『ニグロ・ワールド』、1922年には日刊紙『ニグロ・タイムズ』を創刊。一方「アフリカ人のためのアフリカ」をスローガンに、アフリカ人経営の海運会社、製造会社を設立して実業にも乗り出したが、郵便物詐欺事件で告発され、1925年投獄、1927年に国外追放となった。その後ロンドン、パリに世界黒人地位改善協会支部を設け、「アフリカへ帰れ」運動の指導者として、黒人の意識革命に大きく貢献した。
[土屋 哲]