日本大百科全書(ニッポニカ) 「キジ目」の意味・わかりやすい解説
キジ目
きじもく
鳥綱の1目。この目Galliformesは、キジ、ウズラ、シャコ、シチメンチョウ、ライチョウなどの仲間よりなり、ツカツクリ科Megapodiidae、ホウカンチョウ科Cracidae、キジ科Phasianidae、ツメバケイ科Opisthocomidaeの4科に分類される。なお、人によっては、キジ科をさらにライチョウ科Tetraonidae、狭義のキジ科、ホロホロチョウ科Numididae、シチメンチョウ科Meleagrididaeに分ける。このうち、1属1種で構成されているツメバケイ科は、分類的地位がはっきりせず、将来独立の目となるか、別の目に入れられるかも知れない。ツメバケイを除くと、この目の鳥は地上生活に適応していて、事実大部分の種は真の地上生活者である。キジ目の特徴は、外形態では短くじょうぶな嘴(くちばし)と強い足とがあげられ、骨格では胸骨の形態などに特異点がある。食性は、動物質もかなりとるが、主食は植物質で、砂嚢(さのう)や盲腸が発達しているように、消化系も植物食に適応している。ツメバケイを除いたキジ目は、比較的よくまとまった分類群である。しかし、他の目との類縁関係は明らかではない。陸生の鳥のなかでは、キジ目はおそらく非常に古くに分化したもので、また原始的な群(ぐん)でもあろう。
[森岡弘之]