ツメバケイ(読み)つめばけい(英語表記)hoatzin

翻訳|hoatzin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツメバケイ」の意味・わかりやすい解説

ツメバケイ
Opisthocomus hoazin; hoatzin

ツメバケイ目ツメバケイ科。全長 65cm。1科 1属 1種。羽色は,背面暗褐色にクリーム色の斑があり,喉と胸は淡褐色,腹は栗色である。顔は水色の皮膚が裸出する。頭上に長い冠羽(→羽冠)があり,尾は長い。に爪をもち,この爪と脚で木の枝をつたい歩く。爪は孵化後 2~3週間でなくなり,親鳥にはない。食べ物を蓄える器官嗉嚢(そのう)が消化器官として発達し,体腔の 3分の1を占めるほど大きい。50種以上の樹木の葉を食べ,それを消化するためのバクテリアを嗉嚢内に共生させ利用している。アマゾン川流域に分布している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツメバケイ」の意味・わかりやすい解説

ツメバケイ
つめばけい / 爪羽鶏
hoatzin
[学] Opisthocomus hoazin

鳥綱キジ目ツメバケイ科の鳥。ホアチンともいう。この科Opisthocomidaeは1属1種である。全長約60センチメートル。全体に褐色系の羽色をしており、頭によく目だつ冠羽がある。顔の皮膚は裸出していて青い。嘴(くちばし)は短くてキジ類のそれに似ている。ギアナ、ブラジルからボリビアコロンビアに至る南アメリカの中部から北部にかけて分布する。大きな河川沿いにある広大な湿地林にすみ、その環境内にあるオオカラジウムとアビセニアという2種の樹木の葉や花や実をおもに食べる。飛翔(ひしょう)力は弱く、10~20羽の群れで生活している。繁殖も小さな集団をつくって行うことが多い。巣は、樹上小枝を集めてハトの巣に似た皿状のものをつくる。1腹卵数は2~4個。雛(ひな)の翼に、それぞれ二つのつめがついているのが名の由来で、巣立った雛は、そのつめを巧みに使って枝をすばやく伝い渡る。このつめは、孵化(ふか)後2、3週間で消失する。

[樋口広芳]

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