ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツメバケイ」の意味・わかりやすい解説
ツメバケイ
Opisthocomus hoazin; hoatzin
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
翻訳|hoatzin
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鳥綱キジ目ツメバケイ科の鳥。ホアチンともいう。この科Opisthocomidaeは1属1種である。全長約60センチメートル。全体に褐色系の羽色をしており、頭によく目だつ冠羽がある。顔の皮膚は裸出していて青い。嘴(くちばし)は短くてキジ類のそれに似ている。ギアナ、ブラジルからボリビア、コロンビアに至る南アメリカの中部から北部にかけて分布する。大きな河川沿いにある広大な湿地林にすみ、その環境内にあるオオカラジウムとアビセニアという2種の樹木の葉や花や実をおもに食べる。飛翔(ひしょう)力は弱く、10~20羽の群れで生活している。繁殖も小さな集団をつくって行うことが多い。巣は、樹上に小枝を集めてハトの巣に似た皿状のものをつくる。1腹卵数は2~4個。雛(ひな)の翼に、それぞれ二つのつめがついているのが名の由来で、巣立った雛は、そのつめを巧みに使って枝をすばやく伝い渡る。このつめは、孵化(ふか)後2、3週間で消失する。
[樋口広芳]
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