きときと(読み)キトキト

デジタル大辞泉 「きときと」の意味・読み・例文・類語

きと‐きと[副]

[副]《「きと」を強めた語》
すばやく。さっさと。
右京の権太夫清長を御使にて―と召しあり」〈とはずがたり・三〉
きっぱりと。
「―よく申したるぞ」〈宇治拾遺・三〉
必ず。是非とも。
「ただ今内裏へきと参らせ給へ。なほなほ―」〈著聞集一六

きと‐きと[形動]

[形動][文][ナリ]《富山地方の方言》生きのよいさま。新鮮なさま。「きときとブリ

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精選版 日本国語大辞典 「きときと」の意味・読み・例文・類語

きと‐きと

〘副〙 (副詞「きと」の重なったもの)
① さっと。すばやく。
※とはずがたり(14C前)三「右京の権大夫清長を御使にて『きときと』と召しあり」
② きっぱりと。はっきりと。しっかりと。
※宇治拾遺(1221頃)三「やがて御尻(し)きり奉りて『きときとよく申したるぞ』と仰せ言候へば」
③ 必ず。是が非でも。
古今著聞集(1254)一六「『只今内裏へきとまゐらせ給へ。猶々きときと』といひけり」

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