化学辞典 第2版 「キノジメタン」の解説
キノジメタン
キノジメタン
quinodimethane
キノンの酸素原子をメチレン基に置換した構造をもつ化合物の総称.o-ベンゾキノジメタンは反応性に富み,オレフィンと付加環化反応してテトラヒドロナフタレン誘導体となる.p-ベンゾキノジメタン誘導体としてテトラシアノキノジメタン(TCNQ)がある.TCNQはすぐれた電子受容体を示し,種々の有機導電体の原料として用いられている.非常に不安定なm-キノジメタンは基底三重項ジラジカルであり,トリチレンメタンとともに高スピン有機分子の重要な基本骨格である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報