改訂新版 世界大百科事典 「キンウンミンジー」の意味・わかりやすい解説
キンウン・ミンジー
Kinwun Mingyi
生没年:1821-1908
コンバウン朝ビルマの宰相で,ミンドン,ティーボー両王に仕えた。サリンジー郡ミンタインビン村の出身。本名マウン・カウン。1849年王子ミンドンの邸に初めて出仕,ミンドンの国王就位後は,元老院の勅命係書記,アロン地方太守,副元老などを歴任,67年税関・国境警備担当長官に登用された。71年元老に抜擢され,同時にビルマ最初の訪欧使節団の団長に任命されて,イギリス,フランス,イタリア諸国を歴訪,ビルマ・フランス友好条約の締結に成功したが,イギリス政府との外交関係樹立には失敗した。帰国後,立法・行政両面にわたる国政改革に取り組む。85年の第3次ビルマ戦争に際しては,タインダー・ミンジーの主戦論に反対した。
執筆者:大野 徹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報