キンタナロー州(読み)キンタナロー(その他表記)Quintana Roo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キンタナロー州」の意味・わかりやすい解説

キンタナロー〔州〕
キンタナロー
Quintana Roo

メキシコ東端部の州。州都チェトゥマル。ユカタン半島の東部を占める州で,東はカリブ海に面し,南はベリーズと国境を接する。密林におおわれた石灰岩台地から成り,気候は高温多雨。古くからマヤ文明の栄えた地であるが,1517年半島北東端のカトチェ岬にスペイン人が初めて上陸し,その後の植民地時代には長い間政治犯の流刑地として利用された。 19世紀になってユカタン半島のマヤ族はしばしば反乱を起し,一時は独立状態を獲得したが,1910年の反乱が鎮圧されたのち,この地域に追込まれた。現在の住民の大半はこれらマヤ族の子孫で,各地に分散して小集落をなして住んでいる。州の主産物はチクル (チューインガムの原料) とコプラで,沿岸部では海綿採取,カメ漁も重要。マホガニーなどの硬質材を含む森林資源は豊富であるが,あまり開発されていない。州内にトゥルムコバなどのマヤ遺跡があるため,交通網の発達に伴って観光業が発展している。州名は詩人でまたメキシコ独立運動の指導者であったアンドレス・キンタナ・ローにちなむ。面積5万 212km2。人口 49万 3605 (1990推計) 。

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