マヤ文明(読み)マヤブンメイ

デジタル大辞泉 「マヤ文明」の意味・読み・例文・類語

マヤ‐ぶんめい【マヤ文明】

Maya》中央アメリカのグアテマラからユカタン半島にかけての地域に、古代から栄えたマヤ族の都市文明。巨大なピラミッド神殿を築き、天文・暦・数学・壁面装飾・象形文字などが発達していた。3世紀頃から9世紀まで強い勢力があったが、その後衰退した。アルトゥンハウシュマルエズナカバーシュナントニッチチチェンイッツアキリグアコパンコフンリッチティカルトゥルムパレンケボナンパックマヤパンなど、数多くの遺跡が残る。

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共同通信ニュース用語解説 「マヤ文明」の解説

マヤ文明

紀元前1000年ごろから中米の広い地域で独自に栄えた古代文明。16世紀にスペイン人の侵略で滅ぼされた。一つの帝国ではなく、都市を拠点に多くの王朝が共存していた。石器を使い、「マヤ文字」と呼ばれる4万~5万の文字や暦、天文学を発達させたことで知られる。今回発見されたアグアダ・フェニックス遺跡の大基壇では、西側の土塁に立つと夏至には基壇の左端から、冬至には右端から太陽が昇るのが見えるという。

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精選版 日本国語大辞典 「マヤ文明」の意味・読み・例文・類語

マヤ‐ぶんめい【マヤ文明】

  1. 〘 名詞 〙 メキシコ古代文明を代表するマヤ族の文化。紀元前三一七~紀元九八七年にグアテマラ・ホンジュラスの地で国家を営んだが、後にユカタン半島に移り、九八八年から一六九七年にわたり繁栄した。巨石建造物、象形文字、暦などの高度な文化を残した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「マヤ文明」の解説

マヤ文明(マヤぶんめい)
Maya

メキシコ南部と中央アメリカの一部を含む32万4000km2広域に栄えた熱帯の文明。ただし,単一の領土国家が成立したのではなく,共通の宗教観念を持つ神殿祭祀センターを中軸とした,多数の首長制社会の集合体であった。マヤ地域における農耕起源は前2千年紀にさかのぼるが,西暦紀元直前に早くも巨大な神殿センターが発生した。まもなく文字の使用が始まり,紀元292年以後910年までの歴史は,最近までに解読されたマヤ文字の碑文から,王朝史として把握できる。また地域的には,南部高地,南部低地,北部低地の三つの部分に分けられる。このうち,古典期と呼ばれるマヤ文明の最盛期(前期250~600年,後期600~800年)の中心は南部低地であり,それが衰亡すると,北部低地にメキシコ,トルテカ系の文明と融合した後古典期文化が興った。マヤ文明の動態のなかには,各王朝間の政治・軍事的拮抗や,各センター間の貿易網の発達が含まれる。また,メキシコ中央高原のテオティワカン文明との関連も重要である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マヤ文明」の意味・わかりやすい解説

マヤ文明
マヤぶんめい
Maya civilization

紀元前後から 16世紀頃まで,メキシコ,グアテマラ,ホンジュラスなどに展開した文明。紀元前後から,マヤ文明の特徴がみられるが,3世紀には低地一帯に一種の宗教的都市形成が生じ,巨大なピラミッド形の大神殿や祭礼場,裁判所,市場などが建造された。またマヤ象形文字,天文学,暦などが発明され,国王,貴族,司祭を中心とした貴族政治が発達し,800年頃に頂点に達した。その後これらの都市は放棄され,文化の中心はユカタン半島に移って,950~1000年頃にはチチェン・イツァを中心とするメキシコの影響を受けた文化が発展。さらに 1200年頃にはマヤパンを中心とするココム王国が建設されたが,文化的には後退し,1450年頃反乱によりマヤパンは焦土と化した。 1560年にスペイン人が侵入したときは,ユカタン半島ではインディオ諸族が戦乱を繰返していて,マヤ文明はまったく衰微していた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「マヤ文明」の解説

マヤ文明
マヤぶんめい
Maya

中央アメリカのユカタン半島を中心に住むマヤ族がおこした古代文明
マヤ族はトウモロコシ農耕を基礎として都市国家をおこし,3世紀ごろから南部(グアテマラ)・中部(メキシコ南部・グアテマラ北部)・北部(ユカタン半島)に分かれて発展し,8世紀には古典マヤの最盛期を迎え,ピラミッド型の大神殿を中心に占星による神権政治が栄えた。10世紀以後,トルテカ族によって北部に後期マヤ文明が再興され,14世紀におよんだ。きわめて精密な天文・暦法を記録し,絵文字・数詞の文書を残し,その一部は解読された。スペインの征服後も,北部の密林地帯では17世紀まで抵抗が続いた。

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