紀元前1000年ごろから中米の広い地域で独自に栄えた古代文明。16世紀にスペイン人の侵略で滅ぼされた。一つの帝国ではなく、都市を拠点に多くの王朝が共存していた。石器を使い、「マヤ文字」と呼ばれる4万~5万の文字や暦、天文学を発達させたことで知られる。今回発見されたアグアダ・フェニックス遺跡の大基壇では、西側の土塁に立つと夏至には基壇の左端から、冬至には右端から太陽が昇るのが見えるという。
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メキシコ南部と中央アメリカの一部を含む32万4000km2の広域に栄えた熱帯の文明。ただし,単一の領土国家が成立したのではなく,共通の宗教観念を持つ神殿祭祀センターを中軸とした,多数の首長制社会の集合体であった。マヤ地域における農耕の起源は前2千年紀にさかのぼるが,西暦紀元直前に早くも巨大な神殿センターが発生した。まもなく文字と暦の使用が始まり,紀元292年以後910年までの歴史は,最近までに解読されたマヤ文字の碑文から,王朝史として把握できる。また地域的には,南部高地,南部低地,北部低地の三つの部分に分けられる。このうち,古典期と呼ばれるマヤ文明の最盛期(前期250~600年,後期600~800年)の中心は南部低地であり,それが衰亡すると,北部低地にメキシコ,トルテカ系の文明と融合した後古典期文化が興った。マヤ文明の動態のなかには,各王朝間の政治・軍事的拮抗や,各センター間の貿易網の発達が含まれる。また,メキシコ中央高原のテオティワカン文明との関連も重要である。
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