ぎこつない(読み)ギコツナイ

デジタル大辞泉 「ぎこつない」の意味・読み・例文・類語

ぎこつ‐な・い

[形][文]ぎこつな・し[ク]《「きごつない」「ぎごつない」とも》無愛想で粗野である。武骨である。
「アノ人―・イ物言イヂャ」〈日葡
若衆に、―・き法師の思ひを寄せながら」〈咄・醒睡笑・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「ぎこつない」の意味・読み・例文・類語

ぎこつ‐な・い

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ぎこつな・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「きごつない」「ぎごつない」とも。「ない」は接尾語 ) 無愛想で、荒っぽい。ぶこつである。また、洗練されていない。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「アノヒト qigotnai(キゴツナイ) モノ イイヂャ」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. 「こりゃそこなじねんじょめ、うたひをらふ、とぎこつなく」(出典:浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)道中双六)

ぎこつないの語誌

挙例の「日葡辞書」では「qigotnai」とあって入声表記(t)が使われているところから漢語とも見られるが、該当する漢語ははっきりしない。また、「近松語彙」のように「ぎごつしいことを『ぎごつ』〈略〉『なし』は〈略〉甚しの意」と見る説もある。なお、「ぎごちない」は「ぎごつ」の末が開音節化したものというが、その意味の変遷については明確でない。

ぎこつないの派生語

ぎこつな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

ぎこつないの派生語

ぎこつな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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