改訂新版 世界大百科事典 「ギャラティン」の意味・わかりやすい解説
ギャラティン
Abraham Alfonse Albert Gallatin
生没年:1761-1849
アメリカの政治家,財政家,外交官,インディアン研究家。スイスのジュネーブに生まれたが,19歳のときアメリカに渡来,ペンシルベニア西部に定住した。1790-92年州議会下院議員に選出され,とくに財政通として知られ,また,ウィスキー一揆(1794)の際にはその平穏な終息に尽力した。1795-1801年連邦議会下院議員となり,リパブリカンの指導者として活躍し,ついで,01年ジェファソン大統領により財務長官に任命され,財政改革ならびに国際関係悪化の時期の財政運営に大いに貢献した。14年第2次英米戦争終結のためのガン条約締結に際し,和平交渉委員の一人として会議に出席し優れた外交的手腕を発揮した。16-23年駐仏アメリカ大使,31-39年ニューヨークのナショナル銀行総裁を歴任した。36年インディアンに関する論文を発表,42年アメリカ民族学協会を創立し,アメリカ民族学の父といわれる。《合衆国の通貨と銀行に関する考察》(1831)は金融思想史上著名である。
執筆者:田島 恵児
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報