日本大百科全書(ニッポニカ) 「リパブリカン」の意味・わかりやすい解説
リパブリカン
りぱぶりかん
Republican
アメリカ最初の政党対立はフェデラリスト(連邦派)と反フェデラリスト(反連邦派)との間で争われたが、反フェデラリストのグループは自らを「リパブリカン」とよんだ。これは、王制を廃し共和制を支持する政治的主張を表現したものであるが、同時に民衆を嫌い、デモクラシーということばを避けたものである。フェデラリストは、この反対党を悪意を込めてデモクラティック・リパブリカン(民主共和派)とよんだ。初期の2代のフェデラリスト中心の政権のあと1800年にジェファソンが大統領となり、以後マディソン、モンロー、J・Q・アダムズと4代にわたりリパブリカンの政権が続いたが、基本的にはフェデラリスト政権の引いた路線を継承した。
1820年代にリパブリカンは、アダムズを中心とする保守派の全国共和党National Republicanとジェファソン主義の伝統をひく民主共和党Democratic Republicanとに分裂したが、民主共和党は28年の選挙でアンドルー・ジャクソンを大統領に当選させ、まもなく民主党Democratic Partyと名のるようになった。このころには、デモクラシーということばは進歩的な意味をもつようになっていた。全国共和党は、他のジャクソン反対派と合同してホイッグ党Whig Partyを結成した。
[島川雅史]