クウォン(その他表記)Khuang Aphaiwong

改訂新版 世界大百科事典 「クウォン」の意味・わかりやすい解説

クウォン
Khuang Aphaiwong
生没年:1902-68

タイの政治家。首相に4度就任したほか,交通相などを歴任。父は王族で地方総督。15歳でフランスへ私費留学。1927年帰国後,郵便電信局に勤めた。在仏中から留学生を中心に絶対王制打倒のために組織された秘密結社に参加,32年の立憲革命では通信施設破壊工作を担当した。第2次世界大戦中の44年8月第4代首相に就任するや,同盟関係にあった日本軍に協力すると見せかけ,裏で抗日地下組織自由タイと組み,連合軍との連携をはかり,終戦後のタイの国際的地位を有利に導いた。55年自ら党首として民主党を創立し政党政治尽力軍部独裁の強い風土に,反軍部・議会主義の貴重な種をまいた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクウォンの言及

【自由タイ】より

…43年になると,日本の敗戦を確信したピブンも自由タイ運動に暗黙の了解を与えた。翌年8月に首相に就任したクウォンは自由タイの重要メンバーで,日本軍に友好的態度を示しながら,裏でプリディに協力した。運動は主として軍,警察,行政組織を通じて全国の各層に拡大し,ゲリラ兵は約3万6000人に達した。…

※「クウォン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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