日本大百科全書(ニッポニカ) 「クエーバ」の意味・わかりやすい解説 クエーバくえーばJuan de la Cueva(1550?―1610?) スペインの劇作家。セビーリャ出身、同地で没。作品の主題を古典に求めるのが文壇の傾向であった時代に、自国の年代記や中世叙事詩など、国民生活からモチーフを取り入れた先駆者で、古典的主題の『アヤックス・テラモン』『ビルヒニアの死』、国民的主題の『王、ドン・サンチョの死』『ララの7人の王子』など、全14編のコメディや悲劇(いずれも1588年発表)を残している。また、ドン・ファンの原型ともいえる主人公が登場する『侮辱家』は前者に属する興味あるコメディで、小説的性格が導入されている。[菅 愛子] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例