どん(読み)ドン

  • 名・副
  • 接尾
  • 接頭

デジタル大辞泉の解説

[名]正午を知らせる空砲。サイレンの普及する以前の明治初期から昭和初期にかけて行われ、東京では丸の内で鳴らした。
[副]
弾薬などが炸裂するときや、太鼓を強く打ったときなどに響く、低くて大きい音を表す語。「祝砲がどんと鳴り響く」
音をたてるほど勢いよく押したり、突いたり、ぶつかったりするさま。「肩口をどんと突く」
[接頭]名詞に付いて、まさにそれに相当するものであることを強調していうのに用いる。接頭語「ど」をさらに強めた語。「どんじり」「どん底」「どんづまり」
[接尾]《「どの(殿)」の音変化》人名、または人を表す名詞に付いて、軽い敬愛の気持ちを表す。商家などで、同輩または目上の人が奉公人を呼ぶときなどに用いる。「お梅どん」「長どん(=長吉のこと)」
[補説]九州南部では一般の敬称としても用いる。

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日本の企業がわかる事典2014-2015の解説

正式社名「株式会社どん」。英文社名「Don Co., Ltd.」。小売業。昭和45年(1970)「株式会社フォルクス」設立。平成18年(2006)「株式会社どん」を吸収合併し現在の社名に変更。本社は埼玉県鶴ヶ島市柳戸町。吉野家ホールディングス子会社の外食チェーン。「ステーキのどん」「フォルクス」などステーキハウスの出店規模国内トップクラス。しゃぶしゃぶ・イタリア料理店も展開。大阪証券取引所第2部旧上場。平成22年(2010)上場廃止。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

大辞林 第三版の解説

(多く「と」を伴って)
太鼓の鳴る音、大砲や銃の発射音、波の打ち寄せる音などを表す語。
物が強く当たったり、物をたたいたり、重いものが落ちたりするさまや音を表す語。 背中を-とつきとばす テーブルを-とたたくどんと
正午に鳴る号砲。明治初期から1929年(昭和4)まで、東京丸の内で、空砲を鳴らして正午の時報としたもの。 蕎麦屋の担夫かつぎが-が鳴ると、蒸籠や種ものを山の様に肩へ載せて、急いで校門を這入つてくる/三四郎 漱石
運動競技などの開始を知らせる号砲やかけ声。 用意、-
接頭
接頭語の撥音添加
名詞に付いて、接頭語「ど」をさらに強めた語。 -じり -けつ
接尾
どの(殿)の転
人名または人を表す名詞に付いて、軽い敬愛の気持ちを表す。商家などで、奉公人を同輩または主人側の人が呼ぶときなどに用いられる。 勝- 権助-

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 断層や割れ目を伝って地中から上昇し、炭層中の石炭を熱によってコークス化させた火山岩の俗称。
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる) 銃砲などを発射する音、太鼓などを強く打つ音、重い物が落ちたりぶつかったりする音などを表わす語。
※談義本・教訓続下手談義(1753)二「太鼓喚鐘も、どんともちゃんともいはぬもの」
[2] 〘名〙
① 正午の号砲。午砲。サイレンの普及する前に、東京の丸の内で、空砲を鳴らして正午の時刻を知らせたもの。転じて、正午をいう。
※怪化百物語(1875)〈高畠藍泉〉上「手砲(ドン)が響(なっ)てから余程たって」
② (太鼓の音にかけて) 近世の遊里で、太鼓持ちをいう隠語。
※楽屋図会拾遺(1802)下「牽頭持(たいこもち)をどん」
③ 花札で、一勝負(一二回)の最後の回をいう隠語。
〘接頭〙 接頭語「ど」をさらに強めたもの。「どんじり」「どんけつ」など。
〘接尾〙 (「どの(殿)」の変化したもの) 人名、または人を表わす名詞に付いて、軽い敬愛の気持を示す。一般には、江戸後期から近代にかけて、商家などで奉公人を、同輩または目上の者が呼ぶ時に使われる。九州南部などでは、普通の人に対しても用いられた。
※咄本・喜美賀楽寿(1777)ふたつ文字「かうじ町の三味(しゃむ)せんの師匠どんで」
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「御乳母(おんば)どんけふは遅かったの」

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