クオークの閉込め(読み)クオークノトジコメ

デジタル大辞泉 「クオークの閉込め」の意味・読み・例文・類語

クオーク‐の‐とじこめ【クオークの閉(じ)込め】

クオーク単独の自由粒子として存在しないという性質。クオークは、直接観測にかからない色荷カラーチャージ)とよばれる自由度をもち、強い相互作用によって結びついてハドロンを構成する。量子色力学によると、クオークは赤・緑・青の混色、または補色どうしの混色によって白色となるときに安定して存在するため、色をもつ単独の状態を観測することはできないと考えられている。色の閉じ込め。カラーの閉じ込め。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のクオークの閉込めの言及

【クォーク】より

…すなわちクォークは素粒子の内部には存在するが,外には出てこない。これをクォークの閉込めという。 u,dのほかに少し重いsクォークがあり,その電荷は-1/3である。…

【素粒子】より

…これらクォークの種類をフレーバーと呼ぶ。
[クォークの閉込め]
 クォークからすべてのハドロンがつくられるというクォーク模型は,いままでのところ非常に大きな成功を収めているように見えるが,実はまた非常に大きい困難をも含んでいる。それはクォークが単独ではどうしても取り出せないという事実である。…

【素粒子模型】より

…群論的には×3=1+8,3×3×3=1+8+8′+10という積表現の既約分解則で中間子は一または八次元,バリオンは一,八または十次元のどれかに属することがわかる。 基本粒子としてのクォーク自身が単独では存在しえない(クォークの閉込めという)という事情があるため,クォークに関する情報はある意味ですべて間接的なものである。しかし,今日ではこのクォーク模型の正しさを証拠だてるのに十分なデータがそろっていると考えられており,クォークは実在のものとして受けとられている。…

※「クオークの閉込め」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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