日本歴史地名大系 「クグ牟田」の解説 クグ牟田くぐむた 熊本県:阿蘇郡阿蘇町折戸村クグ牟田[現在地名]阿蘇町三久保阿蘇谷の北西部に位置し、千町牟田(せんちようむた)ともいわれるように広い面積をもつ湿地帯であった。応永一六年(一四〇九)九月日の湯浦郷坪付山野境等注文写(阿蘇家文書)によれば、折戸平(おりどひら)の境界を記したなかに「くゝ牟田のせりのくち」「くゝむたのうへのよこみち」などがみえる。「国誌」によれば「長五百七十間横四百二間、クグト云水草生ス、葉ハ薹ニ似テ背ニ一稜アリ、毎歳七月尽日ノ夜ヨリ翌八月朔日、阿蘇谷中ノ農民群リ来テ、クヾヲ挽取テ農具ヲ作ル、他ノ日ニ取ラス、他日之ヲ挽ケハ必蟒ニ喰ルヽト云、阿蘇大明神放生会神事ノ用ニ古来用ヒ来レル故、常ニ挽クコトヲ禁止ス」とあり、クグで蓑などの農具を作った。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by