クシヒゲカゲロウ(読み)くしひげかげろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クシヒゲカゲロウ」の意味・わかりやすい解説

クシヒゲカゲロウ
くしひげかげろう / 櫛鬚蜻蛉
[学] Dilar japonicus

昆虫綱脈翅(みゃくし)目クシヒゲカゲロウ科に属する昆虫。褐色ないし黄褐色の小形の虫で、雄の触角が櫛(くし)ひげ状であるのでこの名がある。体長7.5ミリメートル、はねの開張25ミリメートル。頭部にある単眼状瘤(りゅう)の内側前方のものは扇形をしており、その周囲は黒褐色。触角と脚(あし)は体と同色。はねは透明であるが、かすかに灰黄褐色を帯びる。前後翅とも幅広く、翅端は円い。前翅の全面に小さい淡褐色の短い横斑(おうはん)を散布し、また、はねの中央および基方に各1個の濃褐色の小斑紋がある。同様の斑紋は後翅にも中央部に1個ある。なお、雌の触角は糸状、また雌の尾端には針状の産卵管を備える。本州、九州に分布し、成虫は夏季に出現する。

[山崎柄根]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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