日本大百科全書(ニッポニカ) 「クジル・オルダ」の意味・わかりやすい解説
クジル・オルダ
くじるおるだ
Кзыл‐Орда/Kzïl-Orda
中央アジア、カザフスタン共和国クジル・オルダ州の州都。キジロルダKyzylorda,Qyzylordaとも表記する。アラル海の東約250キロメートルのシルダリヤ右岸にある。人口15万7400(1999)、24万0766(2019推計)。ウズベキスタンのタシケントとロシアのサマラを結ぶ鉄道の要地であり、またキジルクム砂漠を横断して西に通ずる唯一の自動車道がある。砂漠地帯であるが、灌漑(かんがい)による米、ウリの栽培、カラクール(カラクール種のヒツジ)の飼育が盛んである。工業では製紙、建材、家具、メリヤス、食品製造などの軽工業の発展が期待されている。19世紀前半に、アク・メチェト要塞(ようさい)として建設されたが、1853年ロシア軍に占領され、ペロフスク要塞とよばれるようになった。1917年十月革命後、カザフ共和国樹立に伴い、クジル・オルダ(カザフ語で「赤の都」の意)と改称された。なお、1924~1929年は同共和国の首都であった。
[山下脩二]