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めりやす メリヤス

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デジタル大辞泉の解説

めりやす

長唄の一種で、ふつう歌舞伎下座音楽として、物思い・愁嘆などの無言の演技のとき、叙情的効果を上げるために独吟または両吟で演奏するもの。もの静かな沈んだ曲調が多い。
義太夫節三味線の手で、人物の軽い対話や動作の彩りとして、短い手を繰り返し演奏するもの。
[補説]メリヤスのように曲が劇に合わせて伸び縮みするからとも、「滅入りやすい」調子の曲だからともいう。

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百科事典マイペディアの解説

めりやす

日本音楽,特に劇場音楽用語。(1)歌舞伎では,情緒的な場面に下座で奏する抒情的な短い曲(通常,唄1人,三味線1人)。(2)文楽では,舞台の人形の動きにそえる三味線だけの旋律のこと。
→関連項目独吟

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世界大百科事典 第2版の解説

めりやす

邦楽用語。(1)長唄の一分類。色模様,述懐,髪梳き,愁嘆などの場面で,せりふがないために起こる舞台上の欠陥を補いながら,舞台効果を一段と高めるためにうたわれる抒情的な短編の長唄。黒御簾(くろみす)の中(下座)で三味線のみを伴奏楽器として演奏される独吟物である。最古のめりやすは1731年(享保16)正月,江戸中村座初演の《無間の鐘(むけんのかね)》といわれ,本調子,二上りものもあるが,大部分は三下りの曲である。

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大辞林 第三版の解説

めりやす

〔場面により演奏が伸縮できることから〕
下座音楽の一、かつ、長唄の曲種の一。独吟の唄と三味線一挺ちようのみのしんみりとした曲。芝居では、役者が台詞せりふなしで静かな演技を続ける心理描写的な場面(思い入れなど)で、効果音楽として陰で演奏される。「黒髪」「五大力」など。
義太夫節の三味線の手の一。フシ(旋律的な語り)のない部分で、コトバ(台詞)や人物の動きの伴奏として、短い旋律型を繰り返して演奏する。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

めりやす
めりやす

三味線音楽用語。
(1)長唄(ながうた)では、歌舞伎(かぶき)の舞台で、色模様、髪梳(かみす)き、愁嘆、述懐など動きの少ない場面に、その舞台効果を高めるために唄われる叙情的な短編の独吟(どくぎん)物。下手(しもて)の黒御簾(くろみす)の中で三味線だけを伴奏楽器として演奏される。大部分は三下(さんさが)りの陰気な沈んだ曲だが、二上(にあが)り、本調子のものもある。現存最古のめりやすは、1731年(享保16)正月、江戸・中村座で坂田兵四郎が唄った『無間の鐘(むけんのかね)』といわれ、そのほか伝存曲としては『もみじ葉』『黒髪(くろかみ)』『五大力(ごだいりき)』『明の鐘(あけのかね)』『白妙(しろたえ)』などがある。また特殊な曲に、『忠臣蔵』七段目に使う『小夜千鳥(さよちどり)』、『四谷怪談』のお岩の髪梳きに使われる『瑠璃の艶(るりのつや)』がある。語源については諸説あるが、俳優の動作にあわせて長くも短くも唄われるため、織物のメリヤス(莫大小)の伸縮自在に共通するとして名づけられたというのが通説である。
(2)義太夫(ぎだゆう)節において、三味線を語りの伴奏とはせず、人物の会話や動作に軽くあしらう三味線の旋律のことをいう。『伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)』の沼津の段で平作と十兵衛の対話の場面などで聞かれる。[植田隆之助]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内のめりやすの言及

【下座音楽】より

…〈唄〉は,〈素唄(すうた)〉の場合もあるがふつうは三味線の伴奏を伴う。特殊な演出効果をねらう〈独吟〉〈両吟〉の〈めりやす〉と,数人でうたわれる〈雑用唄(ぞうようた)〉に分けられる。地歌,長唄,端唄などの既存曲の一部をとったものが多いが,芝居のために作られた曲も多い。…

【ぬめり】より

…京都の三味線の名手,岸野次郎三郎が,遊女の位によって弾き分けたことは有名。なお,それらが長唄の〈めりやす〉に転訛(てんか)したという説もある。現在,長唄《天人羽衣》の〈花の色香も……〉の部分を傾城などの出に用いた場合に,〈ぬめり唄〉ということがある。…

※「めりやす」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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