日本大百科全書(ニッポニカ) 「キジルクム砂漠」の意味・わかりやすい解説
キジルクム砂漠
きじるくむさばく
Кызылкум/Kïzïlkum
ウズベキスタンとカザフスタンとにまたがる砂漠。トルコ語で「赤い砂」の意味。面積約30万平方キロメートル。北をシルダリヤ、南をアムダリヤの両河川に挟まれ、北西をアラル海で境される。地表の大部分は砂地で、その一部は南北に移動するバルハン砂丘(高さ3~30メートル、最大75メートル。風上側に凸、風下側に凹の三日月形砂丘)となる。夏は暑く、7月の平均気温は26~29℃。これに対し1月は0~零下9℃に低下する。年降水量は100~200ミリメートル、しかも大部分は冬と春に降るため、年間を通じて著しい乾燥気候となる。オアシス周辺では果樹、小麦、ワタなどが栽培され、ヒツジやウマなどの放牧がみられる。石膏(せっこう)や石墨の採掘も行われている。
[村田 護]