クラシェニンニコフ(その他表記)Stepan Petrovich Krasheninnikov

改訂新版 世界大百科事典 「クラシェニンニコフ」の意味・わかりやすい解説

クラシェニンニコフ
Stepan Petrovich Krasheninnikov
生没年:1711-55

ロシアの地理学者。ペテルブルグ科学アカデミー会員(1750)。モスクワのスラブ・ギリシア・ラテン学院,ついでペテルブルグ大学で学び,1733-43年ベーリングを長とする第2次カムチャツカ探検隊に加わった。1733-36年のシベリア調査では,ドイツ出身の学者グメリンJ.Gmelin,ミュラーG.Müllerに師事,37-41年には単独カムチャツカ半島の自然と住民を調査し,その成果とドイツ出身の博物学者シュテラーの調査資料を合わせて《カムチャツカ誌Opisanie zemli Kamchatki》(1755)を著した。本書はカムチャツカの地理,およびイテリメン族習俗・言語に関する最初の報告書として知られ,その内容の一部は,オランダ語訳を通じて,江戸時代の蘭学者前野良沢によって《柬察加志》(1790。写本)として紹介された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクラシェニンニコフの言及

【シベリア探検】より

…1732年1月17日付けの勅令による第2次探検隊では,アメリカ大陸および日本への航海だけでなく,シベリア内陸部の自然と住民を研究するための調査班が編成された。これにはドイツからミュラーGerard Friedrich Müller(1705‐83),グメリンJohann Georg Gmelin(1709‐55),シュテラー,I.フィッシャー,フランスからL.ド・リル,スウェーデンからJ.I.リンデナウらのほか,クラシェニンニコフら多くのロシア人が参加した。ミュラーの《シベリア史》(1750),グメリンの《シベリアの旅》(4巻,1751‐52),シュテラーの《カムチャツカ誌》(1774),クラシェニンニコフの《カムチャツカ誌》(2巻,1755)などの名著が刊行された。…

※「クラシェニンニコフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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