クラフトビール

デジタル大辞泉 「クラフトビール」の意味・読み・例文・類語

クラフト‐ビール(craft beer)

地ビール」に同じ。

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共同通信ニュース用語解説 「クラフトビール」の解説

クラフトビール

職人らが味や製法にこだわって造るビールで、若い女性にもファンが多いのが特徴全国約250の中小醸造所が手掛けているとされ、代表格は「よなよなエール」で知られ、長野県佐久市に醸造所を持つヤッホーブルーイング。1990年代後半の地ビールブームが品質のばらつきなどから下火になった反省を生かし、造り手の顔が見えるビールとしてイメージを刷新した。

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知恵蔵 「クラフトビール」の解説

クラフトビール

特定の地域で限定生産された地域・店舗の固有ブランドとして認知されるビール。「地ビール」ともいう。小規模な会社によって特徴的な方法により製造されたビールで、独自の製法で醸造し、色や味わいに特徴がある個性的なものが多い。米国では麦芽100%の伝統的な製法によるビールをクラフトビールと定義付けているが、日本ではまだ厳密な定義付けはされていない。
日本では1994年4月に酒税法が改正され、ビールの最低製造数量基準が2000キロリットルから60キロリットルに緩和された。これにより全国各地に地域密着型で小規模の醸造会社が誕生し、地ビールブームが起こった。一時期は300社近く地ビール会社が乱立したが、現在は百数社に落ち着いている。地ビールブームが起こった時期は、全国各地で作られるビールが「地ビール」と呼称されていたが、近年は英語圏で使われる「クラフトビール」という呼び方が認知され、人気が高まっている。
アサヒサッポロキリンサントリー、沖縄のオリオンなど国内ビール大手5社のビール系飲料の出荷量は10年連続で減少しているが、国税庁が発表した「地ビール・発泡酒の製造概況調査(2013年)」によると、製造会社166社のうち回答した147社の平均販売金額は8700万円で、前年比14%増だった。
元来ビールの種類は100以上あるが、日本の大手ビールメーカーが作っているのは、数種類にとどまっている。それに対してクラフトビールは多彩な製法で多種類のものが作られている。例えば大手メーカーが主に製造するのは「ラガービール」だが、これよりもホップの香りやモルトがしっかりしているペールエール、かんきつ系の香りと独特の苦みがあるインディア・ペールエール(IPA)、小麦から作ったバイツェン、果汁を加えたフルーツビール、黒くて泡が滑らかなスタウト、アルコール濃度が高いバーレーワインなどが特徴のあるクラフトビールとして作られている。

(若林朋子 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「クラフトビール」の解説

クラフトビール

小規模工場で生産されたビールのこと。1994年の酒税法改正により生まれた「地ビール」と同義に捉えられることもあるが、伝統的で高品質な「ビール職人による本格ビール」と考えられるものをクラフトビールと称し、差別化を図るようにもなってきている。地ビールブームが終息した後、2012年頃から本名称が広まり、全国約200社による日本製品のみならず世界中のクラフトビールが注目されるようになった。価格は一般に大量生産品より高いが、無濾過・非加熱処理での出荷、100種にも及ぶ製法の多彩さなど、既存のビールにない魅力があり人気が高まっている。

(2013-9-6)

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